レインボー造型企画

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レインボー造型企画株式会社
rainbow CO., Ltd
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
192-0352
東京都八王子市大塚781番地8
設立 1981年(昭和56年)2月1日
業種 その他製品
法人番号 7010101004198 ウィキデータを編集
事業内容 映画、テレビ映画、各種催し物等の着ぐるみ、小道具、大道具の製作
代表者 代表取締役社長 前澤將
資本金 1,000万円
外部リンク https://rainbow-zk.com/
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レインボー造型企画株式会社(レインボーぞうけいきかく)は、テレビの特撮番組やイベントなどのキャラクターの造形の制作する会社である。東京都八王子市に所在する。東映作品以外では、スタートレインの名義でクレジット表記しているものもある[1]

概要[編集]

映像作品の美術スタッフだった前澤範[2]を中心に1981年5月に設立[3]

主に東映の特撮作品(仮面ライダーシリーズスーパー戦隊シリーズ )の着ぐるみ造型を一貫して請け負うが、CMやイベント用の着ぐるみ制作も請け負っている。

設立時のエピソード[編集]

エキスプロダクションに所属していた前澤範は、フリーランスでさまざまな仕事に挑戦したいと考え、1981年3月に同社を退社した[3][4]。その後、東映渡邊亮徳吉川進から東映の番組を担当するように言われ、レインボー造型企画を立ち上げた[4]。ともに独立した小松義人と平峰正敬について前澤は、エキスプロダクション時代から公私をともにしており、2人を呼ぶのはあたり前のことであったと述べている[5]

前澤がエキスプロ時代に参加していた『太陽戦隊サンバルカン』の作業を引き続き行いながら、翌年開始の『宇宙刑事ギャバン』『大戦隊ゴーグルファイブ』『ロボット8ちゃん』の準備作業が初仕事となった[6][4]

初期は前澤の妻が縫い物を担当しており、全身が布の戦闘員の衣裳は当時小学生であった前澤の息子も手掛けていたという[5]

主な人物[編集]

  • 前澤範 - 代表取締役会長。エキスプロダクションから独立してレインボー造型企画を設立した[3]
  • 前澤 將−代表取締役社長。前澤範の息子、令和6年より社長に就任[7]
  • 吉川 学−取締役。元東映プロデューサーの吉川進の実子[8]
  • 小松 義人 - 前澤とともにエキスプロダクションから独立し、設立時から参加[3]。前澤からマスクの原型製作を一任されており、2010年代も現役の造形師として活動している[9]

過去の所属者[編集]

  • 平峰 正敬 - エキスプロダクションからレインボー造型企画に参加[3]。その後、フリーとなる[3]
  • 品田冬樹 - 1982年から1989年まで在籍[3]
  • 山部 拓也 - 特撮大会からのつながりで1980年代に所属していた[10]。その後、品田とともにビルドアップを設立し、その後も品田の右腕として活動している[10]
  • 光 輝ひかり てる - 1961年生まれ[11]。大阪府出身[11]。キャラクターショーの仕事を経てキャラクター造形に興味を持ち、1984年に入社[11]。主にスーパー戦隊シリーズの造形を担当[11]
  • 澗淵 隆文たにぶち たかふみ − 現円谷プロダクション 製作本部 製作部 プロジェクトマネージャー。1964年12月2日生まれ。香川県出身。レインボー造型企画に入社し、『超獣戦隊ライブマン』のガードノイド・ガッシュ、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の守護獣ティラノザウルス、ドラゴンシーザーなどの造型を担当。その後独立してボンクラフトを設立。『電光超人グリッドマン』のグリッドマンなどを手がけた[12]
  • 向井 正一 − 1972年大阪出身。近畿大学文芸学部芸術学科造形美術専攻卒業。 レインボー造型企画入社、テレビ・映画等の怪人・怪獣コスチュームや、 舞台小道具などの制作に携わる。同社退社後、息子の誕生を期に作家活動を始める。 FRP樹脂やレジンキャスト等を用い立体作品を制作。主に新生児をモチーフとした「ベビテクター」シリーズを制作中[13]
  • 安居 智博 − 滋賀県生まれ。京都市在住。大学卒業後、東京に上京しレインボー造型企画に入社。特撮ヒーローの造形などに関わる。その後フリーでフィギュアの原型製作や、マスク制作、キャラクターデザインなどを行う。2000年代に発表した個人制作の「カミロボ」が高い評価を得、 2006年には『ニューズウィーク』誌「世界が尊敬する日本人100」にも選出される[14][15]

参加した作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK 別冊映画秘宝〉、2014年4月27日、294頁。ISBN 978-4-8003-0362-2 
  2. ^ 「「アクマイザー3」「超人ビビューン」プロデューサー 鈴木武幸」『東映ヒーローMAX』Vol.2、辰巳出版、2002年、90頁、ISBN 978-4886417602 
  3. ^ a b c d e f g OFM仮面ライダー6 2004, pp. 28–29, 「ライダーを創りあげた男たち」
  4. ^ a b c キャラクター大全V3編 2014, pp. 134–136, 「仮面ライダーV3証言集2 前澤範」
  5. ^ a b 「スーパー戦隊制作の裏舞台 特別対談 前澤範×小松義人」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1987 光戦隊マスクマン講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2019年5月10日、32-33頁。ISBN 978-4-06-513713-0 
  6. ^ ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全 2004, pp. 84–85, 取材・構成 秋田英夫・安藤幹夫「前澤範スペシャルインタビュー」
  7. ^ [1]
  8. ^ [2]
  9. ^ 宇宙船149 2015, p. 124, 「特別対談 小松義人×前澤範×野中剛」.
  10. ^ a b 「GODZILLA VS BIOLLANTE staff Message 山部拓也」『ゴジラVSビオランテ コンプリーション』ホビージャパン、2015年12月16日、56頁。ISBN 978-4-7986-1137-2 
  11. ^ a b c d 「Special Interview MainStaff & SuitsActor 光輝」『星獣戦隊ギンガマン アースの戦士たち SPECIAL PHOTO BOOK』発行:メディアワークス 発売:主婦の友社〈Dセレクション〉、1999年2月5日、87頁。ISBN 4-07-311071-3 
  12. ^ [3]
  13. ^ [4]
  14. ^ [5]
  15. ^ FINDERS. “進化し続けるカミロボ。原点は母お手製『勇者ライディーン』の座布団|安居智博(造形師)|FINDERS”. finders.me. 2024年6月1日閲覧。

参考文献[編集]